展示コンセプト

触覚 爪とボタン

描くことの意味を考えたとき、思いあたるのは、触れる感覚です。

何かに触れ、そして動かすことで生ずる感覚です。

えんぴつを動かし伝わってくる紙の感覚、そしてえんぴつを動かすことで生ずる運動感覚。

触れる感覚は、皮膚感覚。動かすことで生ずる感覚は、運動感覚。

それらが共に働く感覚が、触運動感覚。

これらの感覚が衝動となり描き始めます。

子供のころ1センチほどのプラスチック製のボタンを指でいじるのがとても好きでした。

指先でボタンの表面を触る感触が何とも言えず心地よく感じていました。

今でもその感覚は子供のころとほとんど変わってないように思います。

5才になる息子が言葉を話す様になったころから、

「おつめ、おつめ。」と言って、私や妻の爪を指先で触ります。

ちょうど私がボタンを心地よく触るのと同じ様に。

ボタンが凹面、爪が凸面、心地よいと感じ触れる形状が、それぞれに違っています。

触れる感覚、その衝動を手掛かりに、また新たな気持ちで描きはじめました。

手を動かし、そして見て、手を動かし、そして考え、それを繰り返し続けていく過程を、

様々な要素と表現で見せる、一つの試みです。

熊井正プロフィール

1987年JACA日本イラストレーション展・金賞、1988年チョイス年度賞・大賞、これらの受賞をきっかけにイラストレーターとして活動を始める。その他、グラフィックデザイン、WEBデザイン、FLASHなど手掛けながらも、描くということを考えの中心に、次の活動の展開を模索中。
東京イラストレーターズ・ソサエティ会員
http://www.tis-home.com/
http://exhibition.tadashikumai.com
http://tadashikumai.com
http://blog.tadashikumai.com

展覧会紹介

本展覧会は熊井正による個展です。
熊井正は鉛筆やペンキ、インク、油絵具などを使ったドローイングの他、MacやiPhoneといったデバイスを利用した作品、Tシャツの制作など多岐に渡る作品を展開しています。この個展では、氏自身がここヨコハマアパートメント・ムーンハウスに短期滞在し、制作された作品を中心に展示しています。また、作品の展示だけではなく、谷口広樹氏、都筑潤氏や保坂和志氏、古谷利裕氏とともにトークイベントを行い、アートとイラストの境界や、描く事それ自体について考えていきます。会場構成は建築ユニット403architectureが担当し、準備段階からコラボレートしアイデアを共有することで、空間と一体的な作品展示となっています。

403展示コンセプト紹介

個展のための会場構成。
「絵画」はキャンバスに、「イラスト」はある対象に、それぞれ“描かれるべくして”描かれる。それに対して「らくがき」には、状況と想像力がぶつかったところに現れる、とでも言いたくなるような自由さとエネルギッシュさがある。私たちは、熊井氏の「絵でもイラストでもない“それ以前のもの”」というコンセプトに反応して、「らくがき」のようなおおらかさで絵が現れる、そんな空間をつくりたいと考えた。具体的には、食卓や作業机、展示台として使われる「平面状のもの」を制作した。「平面状のもの」にはペンキやインクの跡とともに、コップや皿といった日用品と作品が置かれる。生活風景に直接描かれたような、あるいは制作風景自体が展示になっているような、そして展示風景のなかで生活しているような状況を計画している。単なる作品の配置計画を超えて、作品のつくられ方や現れ方が「描かれた瞬間」の集積として現れる空間を目指した。

403プロフィール

[403 architecture]
2008年、建築をめざして活動を始める。現在までに、インスタレーション、展覧会会場構成、シンポジウム、ワークショップ、勉強会、リノベーション、ランドスケープデザイン、舞台演出などの活動を通して、”present”という概念を実践している。
http://403architecture.net/

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